So-net無料ブログ作成
検索選択

東北関東大震災

地震が起きた3月11日。
僕は朝から横浜に住む作曲家悠木昭宏氏のお宅に録音と打ち合わせに出かけた。
午後遅くの帰宅になると思っていたら思いのほか順調に事は運び昼過ぎには帰宅の途についた。

かみさんから頼まれた本を買う為にどこの本屋さんに寄ろうかと考えていたが、横浜駅は大きく変わってしまったのでよく分からないので東横特急で渋谷に。
渋谷東急プラザの紀伊国屋書店でちょっと立ち読みの後、頼まれていた本を購入。
もう一つ新宿家電屋さんに注文してあるパーツがあってこれもピックアップしようかと思ったのだが、ちょっと面倒になったので新宿駅で山手線から総武線に乗り換えた。

総武線のドアに寄りかかってiphoneで録音した曲を聞いていた。
電車は大久保駅に着いた。
ドアが開いて数人の客が降り始めたのだが電車が妙に揺れ始めた。
大勢の人が乗り降りすると起こるあの揺れとは明らかに違う。
ピッチングでもヨーイングでもない変な揺れ…?地震だ!

慌ててホームに出たが前後左右に大きく揺れて立っているのが大変なほど。
瞬間、かみさんや子供たちの事が脳裏に浮かぶ「大丈夫だろうか?」
女性の悲鳴があちらこちらで聞こえ、男性客も柱にしがみついたりホームに座り込んだりしている。
ホームの屋根がダダダダダダッと振動してペンキやら何かの破片やらがパラパラ落ちて来る。
見上げれば蛍光灯や案内板などが今にも落ちてきそうに振り回されていた。

「これは危ない」そう思った僕は電車に戻ったが電車は電車でもっと変な揺れ方をしていて立っていられない。
「もしかしたら電車が線路から下に落ちるかも」
慌ててまたホームに戻り上に物の少なそうな所にしゃがんだ。
かなりの時間揺れに揺れたホームが少しずつ平穏を取り戻してきた。

まだユラユラしているホームから階段を降りるがフラフラして真っすぐに進めない。
それでもなんとか改札を出ると大久保通りには人が溢れていた。
皆、ビルを見上げたり、電話を握りしめて早口で話している。

落下物が怖いのでタクシーやトラックがノロノロ走る車道の端を急ぎ足で歩いて小滝橋通りを右に。
それから総武線に沿って東中野まで小走りに進むが、余震が来るたびにヨロヨロしながら首をすくめ上を見上げた。
ほどなく神田川に突き当たり橋を渡り東中野の駅に着いた。
東中野の駅の周りにも不安顔の人が溢れていたが山手通りを走る車は何事も無かったかのように流れている。

僕が保育園に着いた時にはかみさんが子供たちをピックアップした後だった。
家に帰り着くと玄関の中で「ビー!ビー!」とけたたましい音がする。
かみさんが防災グッズが詰まった箱から手回しラジオを出して動かしているのだが、スイッチが切り替わっていて警報ブザーが鳴っていたのだった。
それに気が付いたかみさんは慌ててラジオに切り替えて、何事かと見ているご近所の方々にスイッチが切り替わっていた事を説明し始めた。
子供たちはラジオそばにしゃがみ込んでハンドルを回して遊び始めた。
みんな無事だった。
ホッとして神様に感謝した。

でもホッとしたのはここまでだった。
NHKの中継を見ていたら津波が物凄い勢いで畑や家や車を飲み込んで進んで行く所を映し出している。
リアルタイムで。
再現映像のCGなんかじゃなくて、正真正銘の生中継である。
僕もかみさんも言葉が出なかった。

地震の影響は僕の仕事にも影響を及ぼした。
今週コマーシャルの撮影が予定されていたのだが延期するというメールが届いた。
でもそんな事はどうでも良かった。
この一週間テレビのニュースばかり見ていた。
それしか出来なかった。

自然の猛威というものを初めて実感してその恐ろしさに縮み上がっていた。
釜石と福島の友人と連絡が取れないのも辛かった。
買いだめに走る人のニュースを見ると、神の大いなる力の前に翻弄される人間の業に世紀末を感じた。
そしてそれらすべてが諸行無常、とても空しく感じてしまった。
原子力発電所の事故もあり本当にちょっと抜け殻になりつつあった…。

昨日、来週撮影の台本をダンススタジオまで取りに行った。
スタジオのドアを開けるとムッと熱気が溢れてきた。
劇団員が賑やかにヒップホップダンスのレッスンに励んでいた。
「たーさん!」「おはようございます!」
なんだこのパワーは?
福島県の双葉町出身の劇団員のOが一番元気だった。
「家族は運良く避難していて大丈夫です」と笑っていた。

本当は笑ってなんかいられないほど心配なはずなのに。
「お前、こんなとこにいていいのかよ?」
喉まで出かかった言葉は笑顔に押し戻された。
そうだった。
僕らには僕らに出来る事がある。
今この時も自分を鍛える事で、技術を磨く事で、人々に笑いや感動を送る事が出来るのだ。
父ちゃん目が覚めました!
おかげでやっとブログを開く事が出来た。
ツイッターにもつぶやこう!

『このさなか、我が家はプリンター&スキャナーが壊れました!』
来週23日からは日本橋丸善書店でかみさんとかみさんの亡父 東君平との親子展が始まるというのに!
丸善書店は被害も少なく「こんな時ですが、楽しみに待ってて下さる方が大勢いるんです!」という担当の方の声に押されて開催するというのに!
父ちゃんは毎日会場で東君平作品をランチタイムリーディングするというのに!
くそー!明日朝いちで買いに行こう!
父ちゃんも頑張るぞ。

被災された皆さんが一日も早く平穏な暮らしを取り戻せますように。
そして亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。



nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

2号

田上さん一家もご無事で何よりです。


湯河原もかなり揺れましたが、大きな被害もなく無事です。お店の中は、商品落下で大変な事になってましたが…。富士宮震源の時もね。
体力的にも精神的にもヘロヘロですが、被災地の方に比べたらなんのそのですよね。


そうそう、親子展の案内ありがとうございます。
ちょうど会期中に東京へ行く用事があるので、時間があれば行きたいと思ってます。
ランチリーディングは何時からなんでしょうか?
by 2号 (2011-03-19 22:06) 

たけまる父ちゃん

リーディングは12時30分から15分ほどです。ただし土曜日はイレギュラーで14時から。紺野美沙子さんがゲストでトーク&リーディング。あと日曜日は僕がダメなので家内の友人が読みます。お時間ありましたらいらして下さいませ。

by たけまる父ちゃん (2011-03-23 00:10) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。